後頭部や首の付け根が痛い、または首の右側、左側どちらかの痛みで悩んでいませんか?その首の痛みや後頭部痛を放っておくと頚椎に負担がかかり頭痛や吐き気、上肢の痺れ、さらには重篤な病気を引き起こすこともあります。今回はそんな首や後頭部の痛みの解消法をご紹介していきます!
首の解剖
首の痛みの原因を知る前に、まずは基本的な首の解剖について解説していきましょう!
首の骨は背骨を構成する一つ
背骨は脊椎(せきつい)と呼ばれ、椎骨(ついこつ)という骨が連結しています。首の骨である頸椎(けいつい)7個、胸椎(きょうつい)12個、腰椎(ようつい)5個、仙骨(せんこつ)、尾骨(びこつ)から構成され、側面から見るとS字に湾曲しているのが特徴です。この湾曲を生理的湾曲といい、頚椎と腰椎は前弯(ぜんわん)、胸椎と仙椎は後弯(こうわん)しバランスよく体を支えています。
椎骨には椎体(ついたい)というリング状の穴があり、ここに脳からつながる太い神経(脊髄)が通っています。頸椎には脳から腕、手指へと神経が枝分かれしており、それぞれの神経が決まった筋肉や感覚を支配しています。
頚椎の役割
頸椎には体重の約8分の1を占める重い頭部を支える、頭部を左右にひねったり回したりとあらゆる方向に動かす、神経(脊髄)を保護する働きがあります。
特に頸椎は前後屈、回旋、側屈の6方向に動かすことができ、脊椎の中でも可動域が大きい部分です。頸椎の中でも第1頸椎(環椎)と第2頸椎(軸椎)が特別な形をしていることで首を左右にひねることができ、第3頚椎から第7頚椎の間には軟骨からできている椎間板があるため、この椎間板がクッションの役割をしつつ首の動きを微調整しています。また頸椎の後方には椎間関節という関節があり、この関節によって首を曲げたりそらしたりすることが可能となるのです!
頸椎は脊髄を保護する役割がありますが、頸椎の湾曲が崩れてしまうとこの脊髄を圧迫する可能性があるため手の痺れや感覚異常などの症状が出る場合があります。
首の痛みの原因
首の痛みの原因は人によって様々で、痛みを取るためには今起きている首の痛みの原因を突き止めることが大切です。ここでは首の痛みの原因を症状別に見ていきましょう!
筋肉の硬さや関節の動きの悪さによる痛み
肩こり、首の痛みなどの多くは筋肉が硬くなってしまっている、関節の可動域が十分でないということが原因です。筋肉が硬くなる原因と関節の動きが悪くなる原因について見ていきましょう!
【スマホやパソコンなどによる姿勢不良】
スマホやパソコンを見ている時、自然と首が前に出て猫背の姿勢をとってしまいます。この姿勢を長時間続けているとストレートネックになりやすく、首周りの血流が悪化し筋肉のこりや硬さの原因となります。慢性的な首周りの疲れや痛みは、首周りを温め血流を改善したり、首や肩周りを動かすなど筋肉が凝り固まらないようにすることが大切です!
また猫背などの姿勢不良はストレートネックだけでなく、胸椎の動きも制限してしまいます。本来ならば首を動かす際に胸椎も一緒に連動して動きますが、胸椎が固くなってしまうと頚椎だけで首の屈曲や回旋動作を行うことになってしまい、その結果頚椎に過度の負担がかかり痛みへと繋がってしまいます。
【重いものを持つなど腕や首に負担がかかる動作】
仕事で重いものを持つ機会が多い方は、上肢や首、肩に過度の負荷がかかり筋肉が炎症を起こしてしまいます。傷ついた筋肉により、首の痛みが誘発されます。急な首の痛み、激しい筋肉痛のような痛みの場合は温めずに冷やすことで炎症を抑えることができます。
【不自然な姿勢で寝ている・寝返りが少ない】
寝ている時の姿勢が不自然であったり、普段から同じ姿勢で寝ている・あまり寝返りを打たずに寝ている方は、肩や首といった一部の筋肉の血流が悪化して痛みが生じている場合があります。また筋肉ではなく椎間関節に炎症が起き痛みを生じることもあります。このような場合はマッサージやストレッチで血流改善、可動域の改善を図ることはもちろんのこと、枕などの寝具を見直すことも重要です。枕の高さは適切か、硬さは柔らかすぎないかなど、ご自分に合った枕を選ぶようにしましょう!
首の障害によって起こる神経の痛み
首の痛みが長期間治らない方は、頚椎に疾患が隠れているかも知れません!頚椎に起こる疾患についてみていきましょう!
【頚椎椎間板ヘルニア】
頚椎をつなぐクッションの役割をしている椎間板が、加齢により後方の飛び出すことで起こる疾患です。30〜50代に多い疾患ですが、姿勢不良やスポーツが原因で起こる場合もあります。頚椎を後方に反らすと肩や首、胸や腕に痺れがでたり、箸が使いづらくなる、ボタンをはめづらくなる、足がもつれたり歩行が不安定になるといった症状が出現します。
【頚椎症】
頚椎をつなぐ椎間板はある程度の弾力がありますが、一定の年齢(40〜50歳)を超えると椎間板や頚椎自体が変形し、神経を圧迫することで痺れが起こります。頚椎症も頚椎椎間板ヘルニアと同様に上肢の痺れ、箸が使いづらくなる、ボタンをはめづらくなるといった指先の細かい動作が難しくなる、歩行が不安定になるといった症状が出現します。
【頚椎後縦靱帯骨化症】
椎体の後縁を連結し、脊柱の全長を縦走する後縦靱帯が骨化することで起きる疾患です。この疾患と原因は単一のものではなく複数の要因が関与して発症するとされており、遺伝的要素、糖尿病、カルシウム・ビタミンDの代謝異常、老化現象など様々な要因が挙げられます。原因ははっきりとは解明されていませんが、家庭内での発症が多いことから遺伝的要素が強いのではないかと考えられます。初期症状は首や肩甲骨周り・指先の痺れが起こり、症状が進行すると痛みや脚びれの範囲が広がり、下肢の運動機能にも障害が出現するようになります。
【細菌感染などによる首の痛み】
発熱していて首の痛みがある場合は、椎間板炎などの細菌感染による頚部痛の可能性があります。多くの場合身体の他の部分で既に繁殖していた細菌が血液の流れによって椎間板へ到達し、繁殖してしまいます。発熱を伴い、頚部や胸部に強い痛みがある場合は、早急に病院を受診しましょう。
首の痛みの解消法
首の痛みは放っておくと生活に支障をきたしてしまうくらい強い痛みになってしまうこともあります。ここでは首の痛みが強くなる前に日頃から気をつけたい解消法について解説していきます!
姿勢不良を改善し、正しい姿勢で過ごす
姿勢不良は身体の歪みを誘発させるだけでなく、歪みによりこりや痛みを併発してしまうことがほとんどです。日頃からパソコンをやる際は背筋を伸ばし首が前に落ちないように意識する、座っている時は足を組まない、立っている時はどちらかの脚に重心をかけて立つのではなく両足にバランス良く体重を乗せるなど、骨盤や背骨といった全身のバランスが崩れないように姿勢良く過ごすことで痛みの原因を取り除くことができます。座り方や立ち方は今からでもすぐに実践できますので、ぜひ意識して取り入れてみてください!
首周りの血流を促進する
こりや痛みの主な原因は、血行不良によるものです。筋肉に十分な酸素が行き渡らず血行不良を起こしたまま筋収縮を続けていると、こりた痛みという症状が現れます。日頃から首や肩周りの筋肉を動かし血行を促進する、トレーニングをして肩周りの筋肉を鍛える、入浴はシャワーだけでなくゆっくりと湯船に浸かる、といった日常生活の中でできることを行い、少しずつ血流を改善することが大切です!
治らない首の痛みは病院を受診しよう!何科に行けばいい?
頚椎の疾患が疑われたら、まずは整形外科を受診しましょう。頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症といった疾患はレントゲンやMRIなどで診断が可能です。いつもとは違う痛みを感じたり、痺れや手の動きの鈍さなど少しでも違和感を覚えたら早めに病院を受診しましょう!
自宅でできる!首や後頭部痛におすすめのセルフストレッチ法
辛い首の痛みを少しでも自分で楽にできたら嬉しいですよね!ここでは自宅でできる簡単セルフストレッチ法をご紹介します!
座りながらできる!凝り固まった首をしなやかにするストレッチ
首の前をストレッチ
1.椅子に座り、両手を胸に当てる。
2.天井を見るように首を後ろへ反らす。
首の後ろをストレッチ
1.椅子に座り、両手を頭の上で組む。
2.頭に置いた両手で首を前に倒し、首の後方をストレッチする。
首を左右にストレッチ
1.椅子に座り、右手を頭の上から左の側頭部を触るようにセットする。
2.側頭部に置いた右手で首を右に倒し、左の頚部をストレッチする。
3.次に左手を頭の上から右の側頭部にセットし、先ほどと同様に首を左に倒しストレッチする。
◎ポイント
首の筋肉だけが伸びるように、体をしっかりと固定する。
肩甲骨や胸椎の動きを改善できる!キャット&ドッグ
1.まず床に四つ這いになる。この時腕と足は肩幅ぐらいに開いておく。
2.背骨を丸める猫のようなイメージで、キャットのポーズを取る。
3.次に背骨を反らせ、目線は天井を見るようにドッグのポーズを取る。
◎ポイント
首を動かすためには胸椎の動きを出すことが重要なので、背骨の中でも特に胸椎をしっかりと動かすようにストレッチしていく。
まとめ
近年パソコンやスマホの使用により首の痛みに悩む方が増えてきています。まずは自分の首の痛みの原因は何なのかを明確にし、それに合わせて適切な対処をしていきましょう。自宅で簡単にできるセルフストレッチで日頃から首周りをほぐしておくことで、辛い首の痛みも軽減することができるでしょう!
Health Progress Labは千葉市のシェアジム「Style Up/Relations」を主な拠点とし、千葉市稲毛区や津田沼周辺で活動しています!理学療法士である私が整形的疾患、既往に合わせてオーダーメイドのコンディショニングをご提案しています。今まで整形外科に行っても湿布や痛み止めをもらうだけで根本的な治療ができなかった、整体や接骨院に通っても少しの期間は調子が良いがまたすぐに痛みが出てしまう、という方はぜひご相談ください!あなたの痛みの原因を解剖学的に解明し、痛みによって歪んでしまっていた体に正しい体を動きを記憶させ、健康的な体へと導きます!
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