ピラティスと自律神経の関係|整う理由と自宅でできるやり方まで解説

ピラティスと自律神経の関係|整う理由と自宅でできるやり方まで解説 ダイエット

なんとなく体がだるい、よく眠れない、気分が晴れない。原因がはっきりしないつらさには、ピラティスと自律神経の関わりが大きなヒントになります。背骨と呼吸にやさしく働きかけるピラティスは、乱れた自律神経を整える助けになるからです。

この記事では、ピラティスで自律神経が整う理由や仕組み、自律神経失調症との関わり、自宅でできる簡単なやり方、そして体と心に生まれるうれしい変化まで、順番に解説します。

読み終えるころには、今日から始められる体の整え方が見つかり、つらい不調をやわらげる一歩をふみ出せるでしょう。

ピラティスで自律神経が整うのはなぜ?

ピラティスは体を引きしめるだけの運動ではありません。背骨や呼吸にやさしく働きかけることで、乱れた自律神経のバランスを取りもどす手助けをしてくれます。

ここでは、ピラティスで自律神経が整う理由や自律神経の働きや乱れたときの不調、ピラティスが効果的とされる理由を詳しく見ていきましょう。

自律神経の働き

自律神経とは、自分の意思とは関係なく体を調整してくれる神経です。心臓の動き、呼吸、内臓の働き、体温の調節など、生きるために欠かせない働きを休まず支えています。

自律神経には2つの種類があります。日中の活動中に活発になる交感神経と、夜のリラックスタイムに働く副交感神経です。昼は交感神経が体にエンジンをかけ、夜は副交感神経が体を休ませる、といった具合に交互に切りかわります。

たとえば、朝に目が覚めてシャキッと動けるのは交感神経のおかげです。逆に、夜にゆったりと眠くなるのは副交感神経が働いているサインです。2つがバランスよく入れかわることで、私たちの体は良い状態を保てます。

ところが、ストレスや不規則な生活が続くと、この切りかえがうまくいかなくなります。まずは、自分の生活リズムが乱れていないか、軽くふり返ることから始めましょう。

自律神経が乱れると起きる体の不調

自律神経のバランスが崩れると、体にも心にもさまざまな不調があらわれます。原因がはっきりしないつらさは、自律神経の乱れが関わっているかもしれません。

体に出るサインとして、よく挙げられるのは以下のものです。

  • 眠れない、寝ても疲れがとれない
  • 体がだるい、疲れやすい
  • めまいやふらつき
  • 肩や首がこる、頭が痛い

心の面では、不安が消えない、イライラしやすい、気分が落ちこむといった状態が続きます。自律神経が乱れると血管や内臓の働きも弱まるため、便秘や食欲不振につながる場合もあります。

やっかいなのは、病院で検査をしても原因がわかりにくい点です。はっきりした病気が見つからないのに、なんとなく調子が悪い状態が長引きます。心あたりの症状がいくつもある人は、生活の中に体をゆるめる時間を取り入れてみましょう。

ピラティスが自律神経にいいと言われる理由

ピラティスが自律神経の調子を整えると言われるのは、背骨と呼吸という2つの大切な部分に同時に働きかけるからです。やさしい動きでありながら、体の内側からバランスを取りもどします。

自律神経は背骨のすぐ横を通っています。猫背などで背骨が固まると神経が圧迫され、働きが低下してしまいます。ピラティスは背骨を1つずつていねいに動かす運動だから、固まった神経をやわらかくほぐし、本来の働きを取りもどす助けになります。

もう1つの理由が呼吸です。自律神経の中で、自分の意思で動かせる数少ない部分が呼吸です。ピラティスで深い呼吸をくり返すと、乱れた神経のバランスをみずから整えられます。激しい運動とちがって息が上がらないため、体に負担をかけずに続けられる点も大きな魅力です。

たとえば、デスクワークで一日中座りっぱなしの人は、背中が丸まり呼吸も浅くなりがちです。ピラティスはそんな固まった体をゆるめるのにぴったりです。気になった人は、まず一日数分でいいので、背骨を動かす簡単な動きから取り入れてみましょう。

ピラティスが自律神経を整える効果と仕組み

目をつぶり呼吸をする女性

ピラティスが自律神経を整えるのは、偶然ではありません。呼吸・背骨・集中という3つの働きが組み合わさり、体の内側からバランスを取りもどす仕組みになっています。

ここでは、ピラティスによる効果と仕組みを詳しく見ていきましょう。

呼吸を整えて気持ちを落ち着かせる

ピラティスで整える呼吸は、自律神経のバランスを取りもどす大きな手がかりになります。自律神経の中で、自分の意思で動かせる数少ない部分が呼吸だからです。

現代の生活では、浅くて速い呼吸になっている人が増えています。浅い呼吸が続くと交感神経ばかりが優位になり、体が常に緊張した状態から抜け出せません。ピラティスでは、肋骨の横を大きく広げる深い呼吸をくり返します。深い呼吸をすると副交感神経が働きやすくなり、高ぶった気持ちがゆっくりとしずまっていきます

たとえば、寝る前になっても頭がさえて眠れない夜があります。そんなときに肋骨を意識しながら息をゆっくり吸って吐くだけで、体がリラックスモードへ切りかわりやすくなります。

つらい緊張をほぐすために、まずは一日3分、深い呼吸をくり返す時間を作りましょう。

背骨を動かして神経の通りをよくする

ピラティスが自律神経を整えるもう1つの仕組みが、背骨を動かして神経の通り道をよくする働きです。自律神経は背骨のすぐ横を通っているため、背骨の状態に大きく左右されます。

神経は筋肉と同じで、動かさないと固まってしまいます。長時間のデスクワークや猫背の姿勢が続くと、背骨が固まって神経が圧迫され、働きが弱まってしまうのです。

ピラティスは背骨を1つずつていねいに動かす運動だから、固まった神経をやわらかくほぐし、本来の通りを取りもどせます。背骨の周りの血のめぐりもよくなり、脳に栄養が届きやすくなるでしょう。

一日中パソコンに向かって背中が丸まったままの人は、背骨を反らせたり丸めたりする動きで、固まった部分がじんわりゆるみます。

固まった背骨をほぐすために、1時間に1度は立ち上がって背骨をゆっくり動かしましょう。

体に集中してストレスをやわらげる

ピラティスには、体への集中を通じてストレスをやわらげる効果があります。自分の体の内側だけに意識を向ける時間が、頭の中の悩みから離れるきっかけになるでしょう。

ピラティスのレッスン中は、普段意識しない深い筋肉や骨の動きに神経を集中させます。動きと呼吸を合わせることだけに気持ちを向けるため、その間は仕事や人間関係の悩みが自然と頭から消えていきます。

無心に近い時間が脳をストレスから解放し、脳が安心や安全を感じると乱れていた自律神経が落ち着きを取りもどせるでしょう。

考えごとが頭をぐるぐるまわって休まらない人でも、体の動きに集中している間は思考がいったん止まり、終わったあとに頭がすっきりします。心をリセットするために、一日の終わりに数分だけ、体の動きと呼吸だけに集中する時間を作りましょう。

自律神経失調症とピラティスの関係性

ピラティスをする女性

自律神経失調症は、体にも心にもつらい不調をもたらしますが、ピラティスは症状をやわらげる助けになります。ただし、正しく取り入れるためには知っておきたいポイントがあります。

ここでは、自律神経失調症が起きる仕組みとピラティスを無理なく続けるために気をつけたいこと、病院受診の目安について詳しく見ていきましょう。

自律神経失調症が起きる仕組み

自律神経失調症とは、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、体の調整がうまくいかなくなった状態です。本来は休まず働いて体を支えてくれる神経が、調子をくずしてしまうために起こります。

強いストレスや不規則な生活が続くと、活動モードの交感神経ばかりが優位になり、休息モードの副交感神経に切りかわれなくなります。バランスが崩れると、血管や内臓の働きが弱まり、体に不調があらわれます。同時に心も落ち着かなくなり、不安や緊張が消えにくくなります。

たとえば、毎日残業でへとへとなのに、布団に入っても神経が高ぶって眠れない状態が続きます。体は疲れているのに休めない、まさに自律神経が乱れたサインです。

まずは、自分の不調がいつから始まったのか、生活のどんな変化と重なるのかをふり返ってみましょう。

無理なく続けるために気をつけたいこと

自律神経失調症のときにピラティスを取り入れるなら、無理をしないことを何より大切にしましょう。汗だくになるような激しい運動は、かえって自律神経に負担をかけてしまいます。

息が激しく上がる運動をすると、体内に活性酸素が増え、自律神経にダメージをあたえます。整えるはずが、逆に乱す原因になりかねません。

自律神経にとってちょうどよいのは、軽めから中くらいの負荷です。ピラティスはまさに、ゆっくりとした動きと深い呼吸で行うため、弱った体にやさしい運動になります。

調子が悪い日に「がんばらなきゃ」と長時間動くより、仰向けで深呼吸を数回くり返すだけのほうが、体は楽になります。体調と相談しながら、痛気持ちいいと感じる範囲で、こまめに区切って続けましょう。

つらいときは病院にも相談しよう

ピラティスは体調を整える助けになりますが、つらい症状が続くときは病院への相談を忘れないでください。自律神経失調症と似た症状の裏に、別の病気がかくれている場合もあります。

自律神経の乱れによる不調は、原因が特定しにくく、検査をしても異常が見つからないことが多いものです。ただし、めまいや動悸、強い倦怠感などは、ほかの病気のサインである可能性も捨てきれません。自己判断だけにたよらず、専門家に診てもらうことで、安心して体のケアに取り組めます。

たとえば、胃の不調やだるさが長引く場合、内科で検査を受けると原因がはっきりして、必要な治療につながることもあります。ピラティスで体を整えながらも、症状が重い日や長引く日は、早めに医療機関を受診しましょう。

自律神経を整えるピラティスのやり方

ストレッチをする人々

自律神経を整えるピラティスは、特別な道具もスキルもいらず、おうちで気軽に始められます。大切なのは、正しい順番でポイントをおさえることです。

ここでは、正しい胸式呼吸の方法や自宅でできるピラティス、続けやすいペースとタイミングについて見ていきましょう。

まずは正しい胸式呼吸を覚える

自律神経を整えるピラティスの土台になるのが、胸式呼吸です。深い呼吸を覚えるだけで、乱れた神経のバランスを自分で取り戻せます。

胸式呼吸は、お腹をふくらませる腹式呼吸と違い、肋骨の横を大きく広げる呼吸です。まず仰向けになり、ひざを立てて肩の力を抜きます。肋骨の横に軽く手を当て、息を吐ききってお腹を薄くします。薄いお腹をキープしたまま、肋骨が横へ広がるのを感じながら息を吸い、口から「はぁ〜」とやさしく吐きます。

肩が上下に動いてしまう人は、お腹で呼吸している証拠です。手を肋骨に添えると、横の動きを感じ取りやすくなります。

一日数回でいいので、肋骨の動きを意識した深い呼吸をくり返して体に覚えさせましょう。

自宅でできるピラティス

胸式呼吸に慣れたら、自宅で簡単な動きを取り入れていきましょう。仰向けや座ったままできるやさしい動作なら、運動が苦手な人でも無理なく続けられます。

自宅で取り組みやすいピラティスを3つ紹介します。どれも呼吸と合わせて行うと、自律神経を整える効果が高まるでしょう。

ブリージング

仰向けになり、ひざを直角に曲げて軽く開きます。吐く息を長くすると副交感神経が働きやすくなるため、体をほぐす最初の動きにぴったりです。

  1. 鼻からゆっくり吸う
  2. 口から長く吐く(吸う対吐くは1対2)
  3. 吐くとき肋骨を閉じる
  4. 首や肩は力を抜く
  5. 息を最後まで吐き切る

息を吸うときは、肩が上がらないように注意しましょう。お腹ではなく肋骨の横を広げる意識で行うとよいでしょう。

スパインツイスト・スーパイン

仰向けのまま両ひざをそろえて立て、左右にゆっくり倒します。胸まわりがほぐれて呼吸が楽になり、腰や背中の張りもやわらぐでしょう。

  1. ひざと骨盤を倒した位置で3〜5呼吸
  2. 吸う息で背中と胸を広げる
  3. 吐く息で肋骨を縮める

ひざを倒すときに、両肩が床から浮かないようにします。腰に痛みが出る場合は、倒す角度を小さくしましょう。

マーメイド

あぐらか椅子に浅く腰かけ、片側へ体をゆっくり倒します。脇腹が伸びて胸まわりがやわらかくなり、呼吸の量が増えていきます。

  1. 倒した側の肋骨を広げて吸う
  2. 体を戻すとき長く吐く

マーメイドをする際は、体が前や後ろに傾かないように真横へ倒します。お尻が床や椅子から浮かないように保つと、脇腹がしっかり伸びます。

胸まわりが硬い人ほど、終わったあとに呼吸のしやすさを感じやすくなるでしょう。

続けやすいペースとタイミング

ピラティスで自律神経を整えるなら、激しくがんばるより、ゆるく続けることを目標にしましょう。毎日少しずつ刺激を与えるほうが、ストレスに強い体を育てられます。

頻繁に体を動かすと、自律神経が常に良い刺激を受け、バランスが安定しやすくなります。一度に長時間がんばる必要はありません。数分の呼吸や動きでも、毎日くり返すほうが効果につながります。タイミングは、朝なら体がしゃきっと目覚め、夜ならリラックスして眠りやすくなるでしょう。

忙しくてまとまった時間が取れない人でも、寝る前の3分を習慣にするだけで、続けやすくなります。自分の生活リズムに合わせて、無理のない時間帯に短いピラティスを組みこみましょう。

ピラティスで自律神経以外にうれしい効果

笑顔の女性

ピラティスは自律神経を整えるだけでなく、体にも心にもうれしい変化をもたらします。毎日の続けやすさにつながるのは、目に見える効果を感じられるからです。

ここでは、ピラティスを継続することで得られる効果について解説します。

姿勢がよくなって肩こりが楽になる

ピラティスを続けると姿勢がよくなり、長年の肩こりが楽になっていきます。体を内側から支えるインナーマッスルが鍛えられ、自然と背筋が伸びるからです。

猫背のままだと、頭の重みを首や肩の筋肉だけで支えることになり、コリがどんどん溜まってしまいます。ピラティスでお腹や背中の深い筋肉を整えると、骨が正しい位置に戻り、無理に力を入れなくてもまっすぐ立てるようになります。これにより、負担が分散され、肩や首のこりがやわらいでいくでしょう。

一日中スマホを見て首が前に出ている人でも、背骨を支える筋肉が育つと、自然に頭の位置が引き上がります。肩こりをやわらげるために、座っている間も背筋をすっと伸ばす意識を持ちましょう。

血のめぐりがよくなって冷えがやわらぐ

ピラティスは血のめぐりを良くし、つらい冷えをやわらげる助けになります。筋肉が血液を送り出すポンプの役目を果たし、深い呼吸が全身に酸素を届けるからです。

手足の冷えは、血流がと滞って体の隅々まで温かい血液が届かないために起こります。ピラティスで筋肉を動かすと、ポンプ機能が高まって血のめぐりが良くなります。横隔膜を大きく使う呼吸も、内臓を優しくマッサージして血行促進が期待できるでしょう。

デスクワークで一日中座ってふくらはぎがむくむ人でも、足裏をほぐしたり体を動かしたりすると、たまった血がめぐり出して足が軽くなります。

冷えをやわらげるために、お風呂上がりに体を動かして血流を促しましょう。

心が前向きになって毎日が楽しくなる

ピラティスを続けると心が前向きになり、毎日が楽しく感じられるようになります。動きと呼吸に集中する時間が、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌を促すからです。

ピラティスの最中は、悩みごとから頭が離れ、無心に近い状態になります。深い呼吸で気持ちが落ち着き、心の安定をもたらすセロトニンが増えていきます。実際に、ピラティスを始めて気持ちが安定した、顔つきがやわらかくなったと感じる人も多いようです。

なんとなく気分が沈みがちだった人でも、体を動かしたあとに頭がすっきりして、前向きな気持ちがわいてきます。

心を上向きに保つために、気分が沈んだ日ほど、数分だけ体と呼吸に向き合う時間を作りましょう。

まとめ

背伸びをする女性

ピラティスと自律神経は深くつながっており、背骨と呼吸にやさしく働きかけるピラティスは、乱れた自律神経のバランスを取りもどす助けになります。激しく動かなくても、深い呼吸と背骨の動きで体が内側から整っていきます。

しかも整うのは自律神経だけではありません。姿勢がよくなって肩こりが楽になり、血のめぐりも改善し、心まで前向きになります。体と心の両方にうれしい変化を感じられるでしょう。

大切なのは、無理せず毎日少しずつ続けることです。まずは一日数分の深い呼吸から、おうちでのピラティスを始めてみましょう。

千葉市中央区登戸にある、千葉駅から徒歩5分の<Pilates Studio re.fel>では、パーソナルでのレッスンを中心に理学療法士や健康運動指導士を保有するインストラクターが、ピラティスや整体を通して身体の悩み解決や障害予防、術後のポスト・リハビリ、身体のパフォーマンス向上のお手伝いをさせていただきます。